「日本酒セラー」とは? なぜ必要? ワインセラーとなにが違う? 徹底解説

最近、日本酒好きの間で話題になっている「日本酒セラー」。ご自宅の冷蔵庫が日本酒で溢れかえっている愛好家にとっては気になる存在ではないでしょうか。
お酒専用の保管庫といえばワインを保管する「ワインセラー」が有名ですが、日本酒セラーとワインセラーではなにが違うのか。冷蔵庫との比較も気になるところですよね。そこで、本記事では「日本酒セラー」の特徴とその必要性、魅力について、セラー販売のスペシャリストであり唎酒師の株式会社イズミセ・奥村将宏に聞きました!
日本酒セラーと「冷蔵庫問題」
ここ最近耳にする機会の増えてきた「日本酒セラー」。ユネスコ無形文化遺産に「伝統的な酒造り」が登録された事により、ますます日本酒を飲む機会が増えてくると予想され、需要が高まってきそうです。
奥村「冷蔵保存する必要のある日本酒は、日本酒セラーがなければ冷蔵庫に保管するしかありませんが、何本も保存すると野菜室などを日本酒が占領してしまい、家族からクレームが来る……そんな理由から『日本酒はワインセラーでも保存できるのか?』という問い合わせを、以前からいただいていました」
最初はとっておきのものを1本だけ、それが2本となり、3本となり……それ以上となれば、当然冷蔵庫の容量を圧迫してしまいます。セラーがあれば、保存スペースも十分に確保でき、野菜室もスッキリしてWin-Winの関係になれる。日本酒セラー誕生の背景には、そのような“冷蔵庫問題”の解決という側面があったというわけです。
とくに近年は限定酒や人気蔵元の入手困難なお酒など、見かけたら「買っておきたい!」と思うお酒が増えており、そのようなお酒が冷蔵保存を必要とする場合も多いことから、より日本酒セラーへのニーズは高まっているのです。
ただし、日本酒セラーはただの「冷蔵庫の代わり」ではありません。実は冷蔵庫とも、ワインセラーとも決定的な違いがあるんです。
日本酒セラーとワインセラーの違い① 「縦置きか、横置きか」
では日本酒セラーはワインセラーや冷蔵庫とはどう異なるのでしょうか? ここでは主にワインセラーとの比較をしていきましょう。
まず、見た目上の特徴として、日本酒セラーは基本的に「縦置き」であるという点が、基本が「横置き」であるワインセラーとの大きな違いとなります。
奥村「ワインの場合、コルクの乾燥を防ぐためといった理由から寝かせて保存するのが基本です。しかし、日本酒の栓はワインのコルクほど密閉性がありません。また、濾過をゆるくかけた微発泡タイプのものや、酵母が活性を保っているタイプのものなどは、ガス圧で瓶が割れないように、蓋の真ん中にガス抜きの小さな穴が空いているケースもあります。つまり、日本酒は横にして保存しておくと液体が漏れ出す可能性があるんです。そのため、日本酒セラーは『縦置き』が基本となります」
また、ワインにおける通常の2倍の大きさのマグナムボトルがややレアアイテムで、一般消費者が手にする機会がさほど多くないのに対し、日本酒の一升瓶は一般消費者も手に取るケースが多いため、日本酒セラーは一升瓶が収納できるサイズ感になっています。
寝かせた状態で通常のボトルをたくさん収納できるのがワインセラー、立てた状態で四合瓶、一升瓶をたくさん収納できるのが日本酒セラーという違いがあるのです。冷蔵庫では、たくさんの日本酒を立てて保管するのはなかなか難しいはずなので、この点は冷蔵庫との差分にもなっています。
日本酒セラーとワインセラーの違い② 「温度」
日本酒セラーとワインセラーの違いは、「縦置きか横置きか」だけにはとどまりません。さらに決定的な要素となるのが「温度帯の違い」です。
奥村「ワインの長期保存に最適な温度が15度前後と言われることもあり、ワインセラーの設定可能温度はだいたい5~20度といったところ。それに対して、火入れをしていない日本酒は低温になればなるほど酵母の活動が緩やかになるため、できれば日本酒が凍る手前のマイナス5度が望ましいと言われています。そのため、日本酒セラーはワインセラーよりもさらに低い設定温度、0度や氷点下の温度を設定することができるんです」
日本酒をワインセラーで保存すると、積算温度によって色、香りなどがゆるやかに変化していき、望ましくない変化を起こす可能性もあります。
これは、程度の差こそあれど冷蔵庫でも同じこと。冷蔵庫は日本酒の味わいをキープしたまま保存するには温度帯が高く、冷凍庫は逆に低すぎてしまうのです。食材の鮮度を0度前後でキープする「チルド室」は温度としては良さそうですが、スペースの問題で日本酒を保管するのは現実的ではないでしょう。
氷温熟成のメリット
日本酒セラーならではの機能である、0度以下の保存=氷温保存には、実はほかにもメリットがあると奥村は言います。
奥村「0度以下の氷温で保存すると、アルコール分子と水分子が結合する『クラスター効果』により、アルコールの角がとれ、香りや色味があまり変わらない状態で、口当たりだけがまろやかになっていくと言われています。日本酒セラーだと、保管している間に味わいが良くなることも期待できるんです」
蔵元のなかには、できたてのお酒のフレッシュさをキープし、さらに口あたりをやわらかくするため、蔵の中に氷温熟成庫を作り、そこでお酒を熟成させてから出荷するところもありますが、日本酒セラーがあればその状態を自宅で再現できるというわけ。
日本酒の味わいをキープし、さらに高める「氷温保存」ができる。それが日本酒セラーの最大の特徴であり、メリットなのです。ちなみに、何度で保管するのがベストかですが、「マイナス5度で設定していただければ間違いありません」とのことでした。その温度では日本酒は基本的に凍らないため、ボトル内部のお酒が膨張し瓶が割れるというリスクも非常に小さいです。
日本酒セラーのある暮らしを楽しもう!
ただ、日本酒セラーと一言でいってもすべてが氷温保存できるわけではないので注意が必要です。0度より低い温度に設定できるか、0度以下の温度設定は1度刻みか、5度刻みかなど、モデルによって違いがあるので、そのあたりはよく調べて購入すると良いでしょう。
たとえば『ルフィエール SAKE23+』は、マイナス5度から18度までの温度設定が可能。マイナス5度で保存すれば、先述したクラスター効果による氷温熟成の妙味を味わうことも可能。ワインセラーで培った技術を応用しているため、1度刻みでの細かい温度設定も可能です。また、一升瓶8本、四合瓶15本を収納できる大容量なのも、たくさんの日本酒を保存したい愛好家には大きな魅力となるのではないでしょうか。日本酒愛好家の皆様にぜひ使っていただきたい日本酒セラーとなっています。
ルフィエール 日本酒セラー (セラー専科)
日本酒セラーがあることで、冷蔵庫問題が解決し、限定酒などを気兼ねなく購入することができ、なおかつ氷温保存による味わいの変化も楽しむことが可能になります。日本酒が大好きで、たくさんのお酒を買ったり飲んだりしたい! という方は、日本酒セラーの購入を検討してみてはいかがでしょうか。